「ちゃんと寝ているはずなのに」

奈良の鍼灸師*まぁ*です🍀

朝晩が涼しくなって温かいお布団で眠るのが心地よい季節となりましたね。

でも「夜はそれなりに眠れているのに、疲れが残っている。」

そんなお声もよく聞きます。

「年齢のせいかな」
「もっと早く寝た方がいいのかな」

そう思ってしまうかもしれません。

でも、眠った時間と、身体がきちんと休めたかどうかは、必ずしも同じではありません。

スマートフォンなら一晩充電すれば元気になりますが、人の身体はなかなかそう単純にはいかないようです。

特に秋は、朝晩の気温差や日照時間の変化に身体が対応しながら、夏にたまった疲れも出やすい時期。

眠れているのに疲れが取れないのは、身体が怠けているからではなく、

「そろそろ、少し休ませてください」

という小さな声なのかもしれません。

西洋医学からみる睡眠と疲労

睡眠では、何時間眠ったかという「量」だけでなく、朝起きたときに「よく休めた」と感じられるかどうかも大切です。

この感覚を「睡眠休養感」といいます。

睡眠時間が足りていても、朝に休まった感覚が乏しければ、十分な回復につながっていない可能性があります。

眠りの邪魔をするものは、夜更かしだけではありません。

ストレスや緊張、寝室の温度、就寝前のスマートフォン、夕方以降のカフェインやお酒なども、眠りの深さに影響します。

東洋医学では、同じ「疲れが取れない」という状態でも、その背景は人によって違うと考えます。

また、女性は月経周期や更年期など、ホルモンが大きく変化する時期に睡眠が揺らぎやすくなります。

更年期には、ほてりや発汗、動悸などで眠りが浅くなったり、途中で目が覚めたりすることもあります。

「眠れているか」だけでなく、

「眠って、少し元気になれているか」

それも身体を見る大切な目安です。

東洋医学からみる疲れ

身体を動かしたり温めたりする「気」が不足している方。

身体や心を養う「血」が足りない方。

心配ごとや考えごとが続き、気の巡りが滞っている方。

食べたものから元気をつくる、胃腸の働きが弱っている方。

夏の暑さで気や血を消耗したまま秋を迎えると、眠ってもなかなか力が戻らないことがあります。

身体は布団に入っていても、頭の中だけ反省会や明日の予定で大忙し、ということもありますよね。

そんなときは、眠る時間を増やすだけではなく、身体が安心して休める状態へ戻してあげることも大切です。

経絡治療では

経絡治療では、「疲れているからこのツボ」と一律に施術するわけではありません。

眠り方や疲れ方、食欲、お通じ、冷えやほてりなどを伺い、脈やお腹の状態も確認します。

そのうえで、

・身体を養う力が足りないのか
・気や血の巡りが滞っているのか
・胃腸の働きが弱っているのか
・冷えとほてりの偏りがあるのか

など、その方の身体に合わせて経絡やツボを選びます。

無理に眠らせるというより、身体の緊張をそっとゆるめ、本来持っている「休む力」や「回復する力」が働きやすい状態を目指します。

今夜からできること

全部しようとせず、できそうなものをひとつ選んでみてください。

・朝起きたらカーテンを開ける
・休日も起きる時刻を大きくずらさない
・寝る前の10分だけスマートフォンを置く
・ゆっくり息を吐く
・温かい飲み物でひと息つく

深呼吸は、三回くらいで十分です。

おわりに

十回きっちり数えようとして、新しい宿題にせんでも大丈夫ですよ。

眠れているのに疲れが取れないと、

「もっと頑張らないと」
「ちゃんとしないと」

と思ってしまうことがあります。

でも、そんなときに必要なのは、新しい頑張りではなく、少し丁寧に休むことかもしれません。

疲れが取れない朝は、身体から届いた小さなお便り。

今夜はご自身にも、

「今日も一日、おつかれさま」

と声をかけてあげてくださいね.

奈良の鍼灸師*まぁ*でした。