「なんとなくしんどい」を、我慢していませんか?
奈良の鍼灸師*まぁ*です
「どこが悪いの?と聞かれても、うまく説明できないんです」
「病気っていうほどでもない気がする。でも、なんとなくずっとしんどい」
更年期を迎える頃、そんなお話を聞くことがあります。
朝起きたときから、なんとなく身体が重い。
前なら平気だったことに疲れる。
肩がこる。頭が重い。
急に汗が出たり、気持ちが落ち込んだり。
ひとつだけなら「まあ、こんな日もあるか」と流せても、あれもこれも重なると、けっこうつらいものです。
それなのに、
「更年期やから仕方ないよ」
なんて言われると、
いやいや、その「仕方ない」を毎日抱えてる本人はしんどいねん(笑)。
今日は、そんな更年期の「なんとなくしんどい」について、西洋医学と東洋医学、そして私が行っている経絡治療の視点からお話しします。
西洋医学からみる更年期
〜身体が大きく変化する約10年間〜
一般的には閉経前の5年間と閉経後の5年間を合わせた10年間が「更年期」と呼ばれています。
日本人女性の閉経年齢は平均50歳前後ですが、個人差があります。
この時期には卵巣の機能が徐々に低下し、女性ホルモンであるエストロゲンが大きく揺らぎながら低下していきます。
ただ、更年期の不調はホルモンの変化だけで起こるわけではありません。
加齢による身体の変化、心理的なこと、家庭や職場などの社会的な要因も複雑に影響すると考えられています。
だから、その現れ方も人それぞれ。
ほてりや発汗などが目立つ方もいれば、めまい、動悸、頭痛、肩こり、冷え、しびれ、疲れやすさなどが出る方もいます。
気分の落ち込み、意欲の低下、イライラ、不眠など、心の症状が現れる場合もあります。 [jsog.or.jp]
つまり、
「これが更年期!」とひとつの症状で言い切れるものではない
ということなんですね。
症状が強く、日常生活に支障が出ている場合は「更年期障害」と呼ばれます。また、別の病気が隠れている場合もあるため、つらい症状を何でも更年期のせいにせず、必要に応じて医療機関を受診することも大切です。
東洋医学からみる更年期
〜ひとつの症状ではなく、身体全体をみる〜
東洋医学では、
「更年期だから、みんな身体の中で同じことが起こっている」
とは考えません。
たとえば「しんどい」という同じ訴えでも、
冷えが目立つ人。
ほてりがある人。
食欲が落ちる人。
頭が重い人。
気持ちが落ち着かない人。
身体に現れるサインはさまざまです。
東洋医学では、身体の中を巡る「気血」や経絡、五臓六腑の働きなどから、身体全体のバランスをとらえていきます。
だから大切なのは、
症状の名前だけを見るのではなく、その症状がどんな身体の状態から現れているのかを見ること。
更年期という同じ時期を迎えていても、その人の身体はその人だけのものなんです。
経絡治療では
〜「更年期」ではなく、今起きている経絡の変動をみる〜
私が行う経絡治療では、ここをとても大切にします。
「更年期だから、このツボ」
と決めてしまうのではありません。
まず、お身体のお話をしっかりうかがいます。
そして脈やお腹など、身体に現れているさまざまなサインを診ながら、どの経絡に、どのような変動が起こっているのかを見極めていきます。
ですから、同じ「更年期のしんどさ」を訴える方でも、みんな同じ治療になるわけではありません。
疲れやすい。
ほてる。
冷える。
肩がこる。
気持ちが落ち着かない。
一見バラバラに見える訴えも、その人の身体全体をひとつとして診ていく。
たくさんある症状をひとつずつ追いかけるのではなく、その土台にある経絡の変動を見極め、整えていく。
これは経絡治療がとても大切にしている考え方です。
多くの愁訴がある場合にも根本原因となる「証」を判定し、本治法で経絡のバランスを整えていきます。
「なんとなくしんどいんです」
そんな、うまく言葉にできない訴えも大丈夫。
その「なんとなく」の中にある身体の声を、一緒に探していくのが経絡治療です。
今日からのセルフケア
〜頑張るより「今日の自分」を知る〜
更年期のセルフケアというと、
「運動しましょう」
「食生活を整えましょう」
「よく眠りましょう」
もちろん大切です。
……でも。
それ全部ちゃんとできる元気がある日は、そもそもそんなに困ってへんねん(笑)。
なので、まずはもっと小さなことから。
朝でも夜でも構いません。
一度、
「今日の私、どんな感じ?」
と、自分の身体に聞いてみてください。
「今日は疲れてるな」
そう思ったら、ひとつ予定を減らす。
「身体に力入ってるな」
と思ったら、ゆっくり息を吐いて肩の力を抜いてみる。
そして調子の悪い日に、
「昨日はできたのに」
と、自分を責めないこと。
更年期は「揺らぎ」のある時期。
昨日の身体と今日の身体が違っても、不思議ではありません。
今日は省エネ運転。
それも立派な身体との付き合い方です。
最後に
〜「なんとなく」を我慢しなくてもいい〜
「これくらい、みんな我慢してる」
「更年期だから仕方ない」
「歳やからね」
そうやって、自分の身体の声を後回しにしていませんか?
更年期は、人生の中で身体が大きく変化する時期です。
つらいものは、つらい。
うまく説明できなくても、
「なんとなく、いつもの私と違う」
その感覚を大切にしてほしいと思います。
必要なら医療機関に相談する。
食事や運動、休養を少し見直してみる。
そして東洋医学や鍼灸という選択肢もあります。
自分の身体を少し立ち止まって見つめて、
「今の私には、何が必要かな?」
と考えてみる。
更年期は、そんな時間なのかもしれません。
身体から届く「なんとなくしんどい」という小さなお便り。
未読のまま溜め込まずに、ときどき開封してあげてくださいね(笑)。
奈良の鍼灸師*まぁ*でした
